ネット発・ボカロ出身:新時代のJ-POPを牽引する才能

ボカロ文化がもたらした音楽的革命

「ネット発クリエイター(ボカロ・歌い手)」の源流は、2007年の初音ミクの発売とニコニコ動画の隆盛に遡ります。プロの機材やスタジオを持たないアマチュアのクリエイターたちが、ボーカロイドという仮想の歌手を用いて自身の楽曲を発表し始めたことで、日本のポップスにおける「作り手」の裾野が爆発的に広がりました。人間には歌唱不可能な超高音域や早口、BPM200を超える高速ビート、複雑怪奇なコード進行といったボカロ特有の文法は、従来のJ-POPのセオリーを完全に破壊し、10代の若者たちにとって最もリアルで刺激的な新しい音楽ジャンルを確立しました。

「歌い手」から国民的アーティストへの進化

ボカロP(プロデューサー)が作った楽曲を人間の肉声でカバーする「歌い手」の文化も、ネット音楽シーンにおいて重要な役割を果たしました。初期はあくまでネット上の二次創作的な位置づけでしたが、彼らの圧倒的な歌唱力と個性がファンを獲得し、やがてまふまふやそらるのようにドームクラスのライブを成功させるアーティストへと成長しました。さらに近年では、Adoのように「歌い手」の出自を持ちながら、メジャーシーンの頂点に立ち、映画の主題歌から海外フェスまでを席巻するスーパーエンターテイナーが誕生しており、ネットカルチャーとメジャーシーンの境界線は完全に消滅しました。

ネット発アーティストが牽引する現代のメインストリーム

2010年代後半から2020年代にかけて、米津玄師(ハチ)、YOASOBI(Ayase)、ヨルシカ(n-buna)など、ボカロPとしてキャリアをスタートさせたクリエイターたちが、現在の日本のメインストリームを完全に支配しています。彼らは、ネット特有の匿名性や文学的な歌詞、映像(MV)と楽曲の高度なシンクロナイズといった手法をメジャーシーンに持ち込みました。彼らの成功は、音楽業界におけるヒットの方程式を「テレビのタイアップ」から「YouTubeとSNSでのバイラル」へと書き換え、現代の音楽産業全体の構造そのものを根本から変革し続けています。

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